2017年01月22日

この春から英国車に乗ってみませんか?

布引クラシックスでは、「安心の英国車」を販売しています。それは「裏表のない仕事」、絶対に知らぬ存ぜぬとは申しません。折角お越し下さる皆さんを裏切るような事はしない・・・それが布引クラシックスのモットーです。そんな中、この春に乗れる英国車を2台ご紹介したいと思います・・・


1973 NORTON COMMANDO 850 Interstate Mk1A
1970年代に入ると各メーカー共、パワー競争時代に突入。ノートンコマンドも750から850へと拡大しメードインジャパンにイタリアドイツ勢を迎え撃ちます。太いサウンドとトルク感、走る事の喜びを大いに実感できる850。布引クラシックス松枝お薦めの一台です。詳しくはコチラ


1966 TRIUMPH 6TA THUNDERBIRD
エンジン、車体共に快調な650サンダーバードです。もちろん長距離ツーリングもお手のもの、走る事が好きな方、遠くに行く事が大好きな貴方、この機会に是非ご検討ください。詳しくはコチラ


1975 NORTON COMMANDO 850 MarkⅢ フルレストア車
こちらはフルレストア車両製作中のご案内です。1975年に登場した左シフトペダルにセルモーター装備のノートンコマンドファイナルモデルです。英国車の魅力は足で始動する事!「セルモーターなんて・・・」偉そうに言う輩も居る事は居ます。しかし、乗ってみると「これってイイじゃん!」乗った者にしか知り得ない魅力有るスーパーマシン。そして「足に怪我をしていて・・・めっちゃ体重軽いんです・・・」 他人には分からない事情をお持ちの方も居ます。ですから、「何も恥ずかしがる事など無い!スターターモーターに左シフトを堂々と使うんだっ!」長年英国車に携わる布引クラシックスが貴方の背中を押させて頂きますよ!是非ご検討ください。(この車両は春には間に合いません・・・)詳しくはコチラ

お薦めします!
如何ですか?今の乗られている皆さんの愛車もそれはそれは良いと思います。我が英国製のモーターサイクル達とは、皆さんの大好きな現行車や今流行のバイクに較べたら幾分地味かもしれません。しかし、人には言わずも自分の生き方に誇りを持って生きている皆さん達。これから乗るバイクがどんなモノであるのか一度考えてみては如何ですか?華奢な車体に細過ぎるタイヤ・・・全く吸収しないでたらめなサスペンション・・・650㏄しかない古臭いOHVツインエンジン・・・しかし、モーターサイクルの本場欧米では、こんなモーターサイクルを今でも愛して止まない・・・その意味を体験してからでも遅くはないと思う訳です・・・どうぞ、今一度英国製モーターサイクルをご検討ください。2017.01.22 布引クラシックス 松枝
問合せは以下です。お気軽に・・・
電話079-557-1203
携帯090-8466-9959
メール info@nunobikiclassics.com  

Posted by nunobiki_classics at 17:52お知らせ

2017年01月07日

布引流英国車講座上級者編「走る事に重きを置く英国車上級者たれ!」その3


前回の「変速その1」では、一時減速装置=プライマリー減速装置について学びました。非力なエンジンをプライマリー減速によってガツンッとパワーアップ!立ちはだかる大きな負荷に対して戦える所まで到達致しました。


しかし、それで走りだしても吹け切って終わりです。「ブッウォ―――ンオンオンオンオン・・・・」精々20キロ程度の速度で終わってしまいます。今回は、本来20キロ程度しか出ないモノを、5倍もの100キロを超すような速度を出す為には一体どうすれば良いのか?学んでみましょう。


今、A君はA地点からB地点に行かなくてはなりません。「無理っす!」これでは登れません、愕然とします。


「やったるどーっ!」そこでA君はスコップで階段を堀り始めました。…全く登れなかったものに一筋の光明が見えて来ました。


そこで彼はもう一段増やしました。「ハァハァハァ・・・登ったぞ―!」息を切らしながらも何とか登る事に成功です。皆さんの知らない3スピードギアボックスの実用化です。


で、これは実物のギアです。2本のシャフトにそれぞれ4つのギアが着いてます。それぞれの軸には固定されているギアと空回りするギアがあってロー、セカンド、サード、トップギアと一つずつ変速出来るようになっています。


近づいて斜めから見るとこんな感じです。如何にも強そうな歯車が沢山並んでいますね。固い鋳物の鉄を削り、研磨し、焼き入れし、焼きなましをし、仕上げをして・・・一見何でもなく見えますが、精度も高く非常に高価な部品なんですよ。


では、これがローギア(1速)です。左が廻す側(エンジン側)、右が廻される側(後輪側)、思い出しましょう、小さなギアが大きなギアを廻す時・・・廻す力は小さくて済む・・・要する本来弱い立場のエンジンでも、こうすれば強い立場になってグングン廻せる!でしたね。なので、発進して「ズッワ――ン!」強い加速感を感じる!と同時に瞬時に終わっても仕舞います。


続いて、ペダルを操作しセカンドギアにシフトアップして走り始めると「ズッズッズッズッズッズッ――――――ン!」と重さや激しさを幾分感じるもののローギアよりクリアな感じで吹け上がると同時にローギアよりも進んでいる時間は長くなりました。


そして、更にサードギアに入れて走り続けると俄然速度が乗って来る!「ズバババァ―――――ン!シュィ―――ン・・・」 と同時に随分と進んでいる時間が長い、スロットルのオンオフで幾らでも走れるようにもなりました。


そしていよいよトップギアです。「ズバッズバッズバッズバッズバッ・・・!」こりゃぁ凄いです!発進する時の心許ないあの感覚などどこ吹く風、スロットルを開けると「ズバッズバッズバッズバッズバッ・・・!ヤッホー!」何と言う変わり様でしょうか、素晴らしい! (※ギアがひとつしかない理由は後の講座で説明します。)


では、まとめます。
A君が掘り続けた4段の階段とは皆さんが一段ずつシフト操作するギアそのモノなのです。100キロの壁を目指して20キロ、40キロ、60キロ、80キロに100キロへと非力なエンジンの出力を上手に導き最終的に目的を達成する超優れたシステム。A君が一生懸命に掘ったあの4段の階段が今正に皆さんのギアボックスの中に詰め込まれているのです。


このようにエンジンとプライマリー減速装置だけでは20キロ程度でしか走れないモノを4段のギアを使い100キロ以上もの速度で走らせる事が出来るようになる。そこに忘れてならない事・・・少から大へは力が少なくて済む、小から大へは弱い力でもグングンと廻せるようになる!この「変速の特性」が巧に利用されているって事・・・
良いですか皆さん、明日からは右の足先にそっと愛情を込めてシフト操作してみましょう。一段一段丁寧にギアを上げて行きましょう。我ら英国車上級者にとってこの上ない宝の箱、それが「4スピードギアボックス」なのです。

2017.1.7 布引クラシックス 松枝 
  

Posted by nunobiki_classics at 20:37英国車講座上級者編

2017年01月05日

布引流英国車講座上級者編「走る事に重きを置く英国車上級者たれ!」その2

少しの知恵が走りを変える。少しの意識が人生をも変える。自分の力で至福の走りを掴み取れ!それが英国車上級者だっ!


冒頭から申し上げます。今回は英国車上級者に最も有効な話をします。それは「駆動系統」…それを、「変速」「極意」「理不尽さ」の三つに分けて説明致したいと思います。何時も難しい話はしないと言いながら今回はクドイ話になってしまいます。興味のない方はここで立ち去りましょう…


では「変速」その1を始めます。最初に皆さんの固定概念を覆します。皆さんの思う「俺のエンジンってパワー有るぜ…」これは勘違です。世の中に数ある動力源の中でモーターサイクルのような小型且つ小排気量のエンジンは非力なモノなのです。言い変えます「俺のエンジンって非力だけど優れた駆動システムのお陰でめっちゃ走るんだぜ!」こうなります。


そうしたモーターサイクルには「ギア=歯車」が多用されています。では、基本を説明します。左が廻す側のギアだとします、右が廻される側です。1の場合、Aのギアを1千回転廻すとBのギアも1千回転です。で、2の場合はAのギアを1千回転で廻すとBのギアは5百回転になります。このように、ギアの大きさ(歯数)を変える事で回転数(速度)を変えられる、これを「変速」と言います。


では次です。1の同じ大きさの場合廻す時に必要な力はそのまんまです。廻した感じそのまんまにBのギアが回ります「じわー・・・」。次に2の場合はこうです「クルクルクルクル!あれっ?軽くなりなりましたよ!」このように回転数が変わると同時にそれに必要な力も変わる、「変速」のもう一つの特性です。
要点を集約します。小さなギアで大きなギアを廻すと、回転数は下がるけど廻す時に必要な力は少なくて済む。繰り返します「小さな力でも大きな負荷をグングンと廻せるんだっ!」こうなります。


では、構造も幾分知っておきたいと思います。左がエンジン側で右がギアボックス側です。


そこにカバーが着いてこうなります。エンジンの出力軸であるクランクシャフトが左、ギアボックスのメインシャフトが右になります。


そして、双方をこうしたチェーンで連結されます。「エンジン」と「ギアボックス」が一本のチェーンで連結されている。いきなり後ろのホイールを回すのではなく、一旦ギアボックスの太いシャフトを廻すんだと知りましょう。


で、残念な事に小型軽量且つ小排気量の我がエンジンとは、ギアボックスに対して非常に弱い立場にあります。「強そーだな、こんなの廻せねーょ…」エンジンは不安になってます。対してギアボックスからその後方にあるリアタイヤ一式までは「オーラッ!どっからでもかかって来い!」と態度が超デカい訳です。「勝てる気しねーなー…」状況は完全に劣勢、じゃぁ一体どうする?


よく見ましょう。そうです、さっき憶えた「変速」です。廻す側のクランク軸のギアは小さく、廻される側のギアボックスのメインシャフト側は大きくなっています。小から大の場合、回転数は下がるけど力は小さくて済む=小さな力でもグングンと廻せる、これです!因みにこの時、概ね2分の1の比率で減速されています。


完全に不利な立場を変速の特性によって一挙挽回!非力なエンジンでも車体の駆動という負荷に対して堂々と渡り合える立ち位置をキープ!「ざまぁ見ろっ、これでどうだっ!」 これを「減速」と呼び、これら一連を一次減速装置=プライマリー減速装置と呼びます。


今回はここまで、お疲れ様でした…如何でしたか?皆さん。我が英国車の500、650、750㏄等の排気量とは、思っているよりもずっと健気なモノなんだ、エンストをした時の事を思えは分かるはず。そんなか弱いエンジンをプライマリー変速が「おっしゃー!俺にまかせろ!」と言って助けてくれている。二人でひとつの仕事をやっとの事で成し遂げている。始めから強いものではないのです。 明日にでも皆さん、ガレージに行って各人のプライマリーチェーンケースをジーッと見つめましょう。「ありがとう…助けてくれて…」きっと有難味が湧いてくるはずですよ…
では次回は「変速その2 ギアボックス」についてお話したいと思いますよ。
2017.1.5 布引クラシックス 松枝





  

Posted by nunobiki_classics at 17:27英国車講座上級者編