2020年03月01日
1975 NORTON COMMANDO 850 Mk3 Roadster プチ報告その6
販売用車両の整備、水面下でこっそり進行中。今回はエンジンのボトムを作業を致しました・・・
この総重量10㎏を超えるダイナミックさがコマンドの魅力の源・・・
ツインエンジンとしては長い89mmのストロークに77ミリのビッグボアで360度クランク、その衝撃とは半端じゃない。
6本だったスタッドボルトも7本に追加、同時にダウエル性も強化され万全のモノとなる‥
これは、コネクティングロッドのキャップ側のシェル、右が古いモノで摩耗の跡がはっきりと分かる。そして、左が新しいモノ(グリス塗布)、ここのオイルクリアランスは大切なんです・・・
発売当初から亀裂に破壊するなどトラブルメーカーだったコマンドのクランクケース、強度以外に、実はオイルライン的にも不可解な設計がずっと続いていた・・・
ノントラブルなメードインジャパンを意識し後手後手ながら改良を続け遂に満足できるモノが完成したのは、ファイナルモデルとなったこの850Mk3が最初で最後なんだ・・・(悲しい…)
カムシャフトの端面に出ていたカエリを旋盤で軽く修正し・・・
クランクシャフトと共にケース内に挿入・・・
そして、フロントのアイソラスティックのラバーを交換・・・因みに、このスラスト方向のクリアランス調整の式は850Mk2まではシムの交換、それをスクリューを設けアジャスト可能に改めたのはこのMk3が最初・・・
で、脱着せずに調整可能になったMk3タイプがデリバリーされているので、750や850Mk2に於いても是非使ってみて欲しい・・・
そして、コマンド850Mk3のエンジンボトム、完成致しました・・・こうしてみると、500で始まったノートンツインも設計的には異常な排気量である850となってしまう。今更ながらアイソラスティックシステムの重要性が見て取れる・・・
750に比較してトルクの大きな850は当然ながら発する衝撃も大きいからボトム廻りの整備こそ入念にしなければならない。クランクピンにシェル、コネクティングロッドの両エンド・・・そして、安全安心を担保して末永く愛用するためにコマンドを所有しようとするなら850Mk3のクランクケース以外に選択の余地はない・・・
Posted by nunobiki_classics at
01:24
│作業中車両のプチ報告