2019年05月26日

布引ファミリースパルタツー行ってきましたよ。

布引ファミリースパルタツー行ってきましたよ。
いつもブログでやってる布引流英国車講座、今回は実技編として実施。「英国車の性能を更に引き立てる走り方とは一体なんぞや?」・・・少数精鋭の布引ファミリー対象にいつもと違ったツーリングをして来ましたよ。(布引流英国車講座 ビギナー編中級者編上級者編実技編)

布引ファミリースパルタツー行ってきましたよ。
前回の淡路島ツーでは「モーターサイクルってのは後輪で旋回するんですよ!」…「前輪ってのは後輪に追従するんであって決して前輪で曲がるんじゃないんですよ!」…「だからこそ後輪を支配できる位置にしっかりとお尻を置かなきゃイケないんですよ!」…これを学びました。 淡路島ツーはコチラ

布引ファミリースパルタツー行ってきましたよ。
参加はトロフィースペシャルのМ氏とT90SC(500改)のH氏。もう教える事ないくらい上手に走れるお二人ですがそこは原点回帰。基本に立ち返って頂きました。

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H氏のお尻の位置…分かりますか?この位置がコーナーでの旋回性に寄与する。タンクにへばりついてイキガッテいる貴方、次回からコーナーが見えたらここですよ!世界が変わります・・・

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М氏の場合、エキゾーストパイプが股の間にあるのでスタイルが制約される。彼の場合は長身で足も長いからまだ良い方。足の短い人は、自分を良く考えてルックスを選択しなきゃいけませんね。


今回のコースは兵庫県民であるマツエダが楽しいコーナーのある道を厳選致しました。出来るだけ旋回時間の長いコーナーを選びましたよ。

布引ファミリースパルタツー行ってきましたよ。
ここは生野銀山のおひざ元、銀山湖。対向車に気を配り、その範囲で楽しませてもらうには絶好の場所。春の新緑、秋の紅葉…モーターサイクリストを楽しませてくれます。お近くの方、是非一度訪ねてみては…

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そして、今回のお題は…「フットレストワーク!」 折角後輪寄りに移したお尻でも、只単にドテッと座ってるだけじゃ不安定極まりない!・・・それはフットレストワーク、皆さんの足の裏を如何にして使うのか?…お尻よりも分かりにくい足の裏…実はこれが楽しいライディングのカギなのです。

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「いいかお前たち!コーナーの旋回ってのは足の裏だっ!そして内ふくらはぎ!ヒザ!肘の感覚!でマシンをホールドしろっ!・・・要するに下半身で支配するんだそ!…」 「ドデンッと座る奴があるか、中腰だぞチュゥゴシッ!」  マツエダが熱くゲキを飛ばし皆を促します。「フットレストを踏む???…こうか?…こんな感じか?…中腰ってこんなのか?…」 コースの途中でコーチングです。

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H氏の足の裏が強くフットレストを意識している事が分かりますか?・・・そうです、コーナーを旋回する時に皆さんはシートをお尻で強く押し付けようとします・・・それは最終的に間違いです。強く押し付ける場所は「フットレスト!」、そしてお尻は中腰で下敷き一枚スッと入る程度に浮かし気味にし、あくまでフットレストに強く載せ車体の重心を下げる事が本当なんだ。

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こうしてコーナーの手前になると後輪側に着座しフットレストに体重を載せる意識を持ち身構える事が大切。安全に楽しく走る為の基本です。

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で、「布引流英国車上級者たる者、クレバーになれ!」・・・ここからがミソです・・・これはトライアンフのユニット650の車体の中枢部分、スイングアームの取付部です。プリユニットモデルならこの状態のまま、メインチューブに十字型についているだけの華奢な構造…ユニットモデルになってここに補強するプレートが着いて剛性を補うようになるものの、ボルトで締結する事が主な低剛性フレーム。

布引ファミリースパルタツー行ってきましたよ。
先の補強用にプレートはそれ故にボルト穴に密に接触する専用の穴とボルトを使う事と配慮され、プリユニットモデルから劇的な性能アップを遂げた。

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そのプレートの管理はユニットトラの所有者の知るべき大切な場所。写真のボルト&ナット類が正規のモノで布引製のユニットトラには正しく取り付けられている。それは穴との接触面にネジ山の無いフラットな面がある正規品、更にはこれらの向きにも意味がある。1965年辺りではこれが正しい取り付け方だ。

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トライアンフのユニットモデルでは、きつめのコーナーや段差など比較的低い速度域で症状が出る。スイングアームはもとよりメインフレームとリアフレームの締結部に捻じれが出る。

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そして、剛性の極端に低いフロントフォークは曲がり、元々の動きの悪さと無いに等しいダンパー性能故に路面からの衝撃とはチグハグな動きとなり暴れだす。

布引ファミリースパルタツー行ってきましたよ。
更に、制動性能も低く前後のバランスを上手く取り損ねると俄然停まらなくなるから違う意味の緊張感も要る・・・現行車からすれば製品化さえ全くもって難しいレベルだけれども、こうした一連の動きが悪いと言うのならとうの昔にトライアンフなど消滅している…世界中に愛好家が絶えないその理由とは、この軽量且つ低剛性さが実用速度域で限界を見せてくれる事…且つ一般人にこそ扱い易いシロモノである事…それによって忘れていたモーターサイクル本来の醍醐味を呼び覚ます事が出来る事…そしてその根源とは細いパイプにボルトで締結された弱いフレーム、要であるスイングアームの取付部のモロな貧弱さ等による低剛性設計からもたらされていると知って欲しい。

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対してこれが A65の同じ場所。歴代のBSAの車体構造は溶接(又はロウ付けもある)で強固に接続され幅の広いメインフレームにスイングアームがガンッと取り付けられる高剛性フレーム・・・トライアンフとは全く対照的な構成に思想。一見なんて事ない景色に見えるが…

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そのA65の走りとは・・・これがトライアンフとは全く違った景色を与えてくれる。剛性の高いエンジンを剛性の高いフレームに積むが故に走りの神髄が見えて来る。自分のスロットルワークが見事なまでにリアタイヤの接地面と直結するかの如く支配できる。ゴールドスターに始まるBシリーズにこれらAシリーズが目指した共通のコンセプト。・・・しっかりとしたエンジンに車体、いやがうえにも着座位置を後方に取らせるその車体レイアウト。一度スロットルを全開にした時には「オーッ・・・なるほどーっ!・・・」高いレベルの上級者であればある程、断然納得できる世界がそこに広がっている…

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皆さんが考えている以上に低剛性なトライアンフ、皆さんが気がついていない超高剛性なBSA系フレーム。どちらが良いとか言ってる訳じゃない。トライアンフは低剛さ故の至福の時がそこにはあり、スロットルワークの妙がA65にはある。結局のところモーターサイクルってのはどんなモノでもそれぞれに良さがあって、どれも楽しいモノなんだと言いたいんだな。

布引ファミリースパルタツー行ってきましたよ。
で、今回のおさらいを致しますよ。「モーターサイクルとは後輪で旋回するモノだ!」 これ前回の淡路島ツーで言いました。そして今回は「コーナーリングとはフットレストに体重を載せ中腰で旋回するべし!」 先にも言ったように今回の話は分かりづらい。けれど、このレベルの高い二人ならソロで走っている時にも「はっは~この事か…」と何れ気が付くはず。その時の礎になる日が今日なんだ。

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では、皆さんにもお願いしよう…ルックスに気を配る事も大切だけど、自分の愛車をもう一段深く見つめ直すことも必要じゃないかな?…「フレームは他とどう違うのか?…エンジンってどう積まれているのかな?…フレームがボルトオンと溶接の違い…電気溶接とロウ付けって…スイングアームの取り付け方も違うのか…」 

布引ファミリースパルタツー行ってきましたよ。
私はそもそも愛車を溺愛しろ!と皆に強く言っている。その中には洗車も保管もあるけれど愛車の得意不得意を把握してやる事も含まれている。人間にも得手不得手があるように英国車にもそれぞれの特徴がある。トライアンフの強い部分に弱い箇所、A65の強い部分に弱い箇所…古いモーターサイクルだからこそ愛車の不利な面は守ってやり、得意な部分を共に楽しませてもらう…それがクラシックスモーターサイクリストの基本中の基本。自分勝手に走っちゃイケないといつも言ってるだろ?

布引ファミリースパルタツー行ってきましたよ。
どうだい?次の休みには愛車を磨いている合間に少し構造を理解してみては?ブリティシュが好きだと口だけで言う人間にはなってはイケない。隅々の特徴を理解した上で積極的に走らせる事…それを愛車は待っているんだ… 「布引流英国車上級者たる者クレバーになれ!」是非お願いしたいと思いますよ…2019/05/26 布引クラシックス松枝





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