2019年08月09日

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
今は古いモーターサイクルの修理屋やってるマツエダも、実は10~20代の頃、全日本選手権目指してこうしたサーキットコースで走っていました。二輪はヤマハのTZ250で、四輪はフォーミュラーカーで走っていましたよ。

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
当時の1980年代には私のような存在が星の数程居ましたね。一つのカテゴリーに何と2~300台ものエントリーがあって僅か40~60台程度のグリッド目指してしのぎを削っていました。

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
私もそんな星の数のひとり、昼間は自動車整備の仕事して夜は筋力トレーニング、休みには月に1~2度の貴重な練習走行。毎日がレースの為の生活・・・「決勝に出たい!チャンピオンになりたい!」 ところが現実は予選落ちばかり・・・

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
それでも次第に予選通過ラインをウロウロし始めて決勝に出れるようになってくる。「やっだぞ、遂に俺様の時代が来たか!」・・・がんばって決勝進んでもいつも後方争いの常連組み「・・・まだまだおせ~な~・・・次がんばるぞー!」

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
そんな私が何を間違えたのか調子こいてトップ集団が見える位置まで走れるようになる・・・「オリャーッ!ドリャーッ!」 只本能のままに走らせる、「パァーーーーーン!・・・パァーーーーーン!・・・」 目で見たモノがそのまま直接手足に伝わる単細胞状態?!(写真は1970年後半の鈴鹿サーキットのコースイン、正面が私。廻りの人の服装が70年代!)

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
そんな時、不思議と音が聞こえない「・・・シーーーーン・・・」幾ら耳を澄ませてもエンジンの音が少し聞こえているものの風の音も何もない無音状態 オートメーションの機械のようにブレーキを踏み、ヒール&トゥーでダブルクラッチを踏み、超敏感なステアリングをあて込み、大きくアクセルを踏み続ける・・・本当に速く走っている時ってなにも聞こえない無の世界だと次第に知ったんだ・・・(これはFL500を走らせている私の写真。)

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
いつしか2位争いのグループなんかに混ざって走れるようになってからのあるレースで、自分だけが進んで行く状況にはたと気が付いた。まだまだ余力を残して最後に行くぞと走っていたのにグングン進んでトップが見えてしまった!「オッリヤーッ!表彰台いったるぞーっ!・・・」 馬鹿な事に調子こいてセーブしてたの忘れてもう全開状態。二位集団抜けて更に行ってやるぞといつもの根性出してしまった・・・すると、「パァーーーーーン!・・・・ガシャン!ドカン!・・・」 またもや自分を見失い得意技のクラッシュなんぞを・・・集中している時こそ無音状態の冷静沈着な空間の中で戦わなきゃイケないとそう学んだのに・・・本能だけで走る愚かな行為の典型だった・・・(鈴鹿のヘアピンで愛車のTZ250を走らせる私、結局今でもこの後方排気のTZ250が自分にとって生涯最高のモーターサイクルになる。)

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
それでもポイントを取るようになり最終的にクラスを上がったりもした・・・それは本当に一生懸命で今思うと人生を掛けていた。「全日本の有名なレーサーやライダーに俺もなりたい!」真面目に思ってました・・・ひとつの予選で250台余りが予選落ちする世界・・・私みたいな凡人には所詮無理な世界でした・・・

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
諦めてレースをやめた時、「なんて俺って格好悪いんだろう・・・」 夢を目指してやって来たのに何の結果も残せない自分が無様で穴があったら入りたい。だから人にはレースをやってたなんて絶対に言いたくなかった・・・

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
必死で走った鈴鹿サーキットに岡山のTIサーキットにこの富士スピードウエイ・・・惨めな自分を思い出したくもない・・・だから、やめたあの日以来どこのサーキットコースへも行かなかったんだ。

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
あれから39年、この日は東京出張の時間調整で、何となく富士のゲートへとハンドルを切ってしまいました・・・段々と近づいて鼓動が高鳴ってくる・・・いい年こいて 「行くのよそうかな・・・やめようか・・・いや・・・」

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
辿り着いた富士スピードウエイは余りにも変わっていました・・・ススキだらけの田舎のコースが近代的な超一流コースに・・・なにもかも整備され立派になっていた・・・

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
現役の頃には決して来る事のなかったグランドスタンドでひとりサンドイッチを食べてみた。「ファーーーーーーーーン!・・・」富士の長いストレートを眺めていると、四輪で昔のグランチャンマシンみたいなレーサーが走っていた 「俺ならアレがいいなぁ、やっぱりハコよりレーサーだな…」 ・・・

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
更に昔のコースとの違いをいろいろ捜したりして「変わったなぁ…こんなシケインみたいなの出来てるんなら突っ込み方変わるよなぁ…」 もう2度と走れる訳はないけれど、ちゃっかりその気になっている・・・

マツエダ 39年振りに富士スピードウェイ行ってきました。
レースの世界は凄い。自動車整備士として、ひとりの社会人として、どれだけ私を成長させてくれた事か・・・あの何とも言えない緊張感の中、立ち向かえるだけの強さを無理やり仕立てて挑もうとしていた若かりし頃の自分・・・瞬時に物事を判断し絶対に失敗は許されないあの空気感の中で私は人間として大きく成長して行った・・・「あぁ~来て良かった。やっぱりサーキットっていいなぁ・・・」39年経った今、純粋に私は思ったんだ。


惨めで恥ずかしくて誰にも胸を張って言えない自分の崩れ去った青春。それでも今、四輪をドリフトさせて鈴鹿のS字を駆け抜けてブラインドのデグナーへ突っ込んで行った自分が・・・ヘアピンを抜けて5速全開で後輪が流れ更に前輪がアウトに流れ始めるスプーンコーナーへのアプローチ・・・シケインも何も無く只全開で耐えていた富士の最終コーナー・・・あの時走っていた自分が今、走馬灯のように蘇ってくる・・・「格好悪くなんかないさっ、結果はどうであれ、君はがんばったじゃないか!…」って、富士が言ってくれた気がする。勝手に目頭が熱くなるってのも久し振りの事だったんだ・・・   2019.08.09 布引クラシックス松枝

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Posted by nunobiki_classics at 21:02 │旅をして来ましたよ!