2019年01月17日

1965TRIUMPH T90SC PROJECT 兵庫県H様

1965TRIUMPH T90SC PROJECT 兵庫県H様
以前、排気量を500㏄に上げたH氏のT90。更に今回は足廻りをSC仕様にモディファイ。愛らしいスモールユニットが俄然クールになりましたよ・・・ 過去のエンジンの作業は→コチラ

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スモールユニットモデルとは3TA,T90(350cc),そして5TA,T100A(500cc)の4ラインナップでエンジンは何れもユニットスタイル。プリユニットモデルのT100とは別のモデルなので注意。
当初のスモールユニットモデルは17或いは18インチの言わば小径ホイールモデル。3TAや5TAはコンパクトで使い勝手が良く街の至る所で活躍し市民生活を支えた。更にT90やT100のスポーツモデルにはエンジンや車体を高性能化され愛好家の要求に応え、その頂点がツインキャブレターヘッドを持つT100R DAYTONA だ。

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その中に650クラスと同サイズの足回りを持つモノが存在する。何れも北米用モデルT90SC,T100SC,T100Cなどのコンペティションモデル達。今回はそれらにモディファイする。で、早速リムを組み替える。WM2-18からWM2-19へ大径化し、リアはWM2-18からWM3-18へと幅を拡大する。

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フロントタイヤはダンロップ製トライアルユニバーサルの3.00-18から3.25-19へと変更。当時はT90SC,T100SCは3.25-19, T120C,T120TT,TR6Cには3.25-19又はび3.50-19の装着が標準だ。

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リアタイヤはトライアルユニバーサルの4.00-18が当時の装着タイヤであったものの既にデッドストック。なので同じくダンロップ製のK950を代用とし3.50-18から4.00-18に変更した。・・・するとボリュームの違いは歴然!・・・

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そして、リアショックも11.9から12.9インチロングへと1インチ長へと変更・・・

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本来コンペモデルではプロップスタンドのみでセンタースタンドはなし、当たり前です・・・しかし「Hさんだとあった方がいいなぁ…」 今回はオーナーの諸事情を考慮し双方ともに取り付ける事に、共に延長加工に位置の調整とかします・・・

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で、作業台の上で完成・・・離れて見てみると「うん…ボリューム出たじゃないの…」 この尻上がりの感覚はスモールユニットには無い景色。マツエダ結構ご満悦でございます・・・

1965TRIUMPH T90SC PROJECT 兵庫県H様
これ使用前の姿・・・

1965TRIUMPH T90SC PROJECT 兵庫県H様
そしてこれが今回のSC仕様・・・これまで地面にベッタリ着いていた踵が650クラス同様にスカーン!と浮くようになった・・・フロントが大きくなったにも関わらずリア廻りの存在感が負けていない・・・

1965TRIUMPH T90SC PROJECT 兵庫県H様
もう、これって全然スモールユニットじゃなくなってる。足の長さが際立つこの景色・・・コンパクトなエンジンと小さめのフレームに長い足が結構八方美人!今まで幾分の劣等感を650クラスに持っていたとすれば、もう心配ご無用。堂々と渡り合える車格になりましたよ・・・

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※ここ大切なポイントです・・・(説明排気量別に補足しました。) 後輪をこれだけ大径化するとギア比の変更は必須ですね。以下を参考に致しましょう・・・

500cc・・・T100の場合17T(18T)、5TAの場合18T(19T)
350cc・・・T90、3TA共に17T  
(ギアの歯数は市街地や山間部の場合、()内は高速道路を含めた長距離ツーリングなんかを視野に入れた場合です。)

ここで「あれっ?」と思う人いますか・・・なぜスタンダードモデルの方がギア比が低いのか・・・こう疑問を抱いた方は「布引流英国車講座上級者編」を最終回まで読みましょう。何れその答えが分かります・・・コチラ(未だ最終回まで行ってませんけど・・・)

1965TRIUMPH T90SC PROJECT 兵庫県H様
大型免許が教習所で取得出来なかった時代、このスモールユニットモデルは英国車の中でも特に多い存在でした。けれど今、私の知る限り見かけません。一体何処へ行ってしまたのか・・・小さく健気なスモールユニットが好きな私はそれが残念でならないのです。「全国のスモールユニットのオーナー諸君!堂々と愛車を走らせようじゃありませんか!スモールユニットに愛情たっぷり注いでやろうではありませんか!」・・・そうだね・・・スモールユニットだけで走るってのもありかも?全国のスモールが一堂に集まる・・・そんな日が来ると良いなと、ふと思ったりする今日この頃です・・・松枝




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